南々社の季刊誌「がんぼ」癒しの秋号、もうご覧いただけましたか? 今回の特集は「保存版 徹底調査 中国地方の本物温泉」です。これでもかっていうほど、中国地方および近郊の温泉情報が詰まってます。

ライター・カミガキ担当の「広島の酒」応援企画⑤は、題して「広島生まれの『本格焼酎』を訪ねて」です。このたびは拡大8ページ(いつもの2倍!)。前半4ページは「がんぼ」編集部による中国醸造のルポ。実は私、個人的にこちらの焼酎のファンでして「天厨貴人」「嵩山」は自宅でよく飲みます。

私が取材したのは、竹原にある中尾醸造と三次にある白蘭酒造、そして広島市中区にある大和屋酒舗と居酒屋のちょこっと屋。いずれも、いち広島県人として新たな発見のある酒蔵・お店でした。

詳しくは「がんぼ」本誌をご覧いただくとして、ここでは取材こぼれ話をご紹介します。まずは、中尾醸造さん。「誠鏡」ブランドでおなじみですね。私はこちらの「幻」が好きです。夫の実家は自営業(大工さん)ということもあり贈答品についてはうるさい! 嫁いでから、義母にはいつも「お届け物には誠鏡の幻」と言われています。実際、「幻」はどなたに贈っても喜ばれるお酒です。

その中尾醸造が手がけている焼酎が「がんぼう」。私はなぜか昔からこの「がんぼう」という焼酎の存在は知っていました。多分、酒好き焼酎好きの父が家で飲んでいたからだと思うのですが、中尾強志社長にそのことをお知らせしたら、呉(私の実家があります)は焼酎の消費が多い地域なのだとか。地元竹原では「がんぼ=中尾醸造の焼酎」として知る人は少ないんだそうです。

“技術屋”出身という中尾社長は取材の対応もとても丁寧で、実直で誠実なお人柄をうかがい知ることができました。取材を一緒に受けてくださった今岡杜氏も、杜氏として“旬”な感じの現役感のある方で印象的でした。日本酒、焼酎ともおいしいですが、大崎下島・豊町産の「大長レモン」を原料に中尾醸造が独自の製法で発酵醸造した果実酒「大長 檸檬酒」もおすすめ! さっぱりした飲み口でいくらでもいただけます。瓶のラベルもレトロなデザインで素敵ですよ。

お次は、三次の白蘭酒造さん。こちらもユニークな酒蔵でした。酒蔵の主の風格そのままの佐久間孝二郎社長、社外取締役の小田大治氏、若干32歳ながら広島杜氏組合などの品評会で数々の受賞暦を持つ平田杜氏が取材に応じてくださいました。中でも傑出した存在感が社外取締役の小田氏。取材中もオヤジギャグ連発でたじろぎましたが、とても自由で豊かな発想の持ち主。白蘭酒造の焼酎「gaga」の生みの親でもあり、とにかくエピソードには事欠かないのです。

酒蔵自体もかなり歴史のある建物で、誌面では小さくしか掲載できませんでしたが、現在、貯蔵庫になっている建物はとてつもなく太い梁がめぐらされ、かつて「大名蔵」として名を馳せた時代の名残を残していて感動ものでした。古い蔵の中で若い杜氏が育ち、新しい発想の酒づくりが行われている、そんな注目の蔵でした。

広島の焼酎情報を集めている際に、“大和屋だけの広島焼酎”というこだわりの品揃えに惹かれ訪ねたのが大和屋酒舗さん。こちらの大山晴彦店主は、なんと! ライター・カミガキごひいきの漢字TシャツショップAnythingの西村和弘氏の高校時代の同級生。酒の取材を担当するに際し、西村氏からも大和屋さんのことは教えてもらっていたのですが、やっと今回取材にこぎつけました。大山氏も西村氏同様、自分の仕事に志と情熱をもった若き仕事人でした。実際に自分の足で酒蔵を訪れ、自分の惚れこんだ酒をお店で販売すると言うポリシーをきちっと持っておられ、取材が楽しく刺激的でした。

取材の帰り際、お店で買った「とうふみそ」。こっれがまた焼酎に合うんです! 大山氏のおすすめで買ったのですが、さすがよくわかってらっしゃる。チーズのような味噌のような、なんともいえない味わいで、日本酒の肴としてもいけます。ちょっとハマってしまいました。

最後に、広島の地酒がすべて取り揃えてある居酒屋「ちょこっと屋」。ここもホント「素晴らしい!」のひと言に尽きる居酒屋でした。予約のお客さんの準備で超多忙な中、きっちり取材に応じてくださった山川剛店主は若いのに芯の一本通った方でした。一見、今どきの若者風の山川氏の口から「地産池消」という言葉が出てくるとは。感動でしたね。その言葉どおり、地元広島の食材にこだわった料理と、山川氏自らすべての広島の酒蔵を回り(時には酒造りにも参加して)取り揃えた広島生まれの日本酒たちがズラリ。もちろん、広島産の焼酎の充実度も一番でしょう。

もともと大しょう酎のスタッフだったという山川氏は、独立の際、社長の反対を押し切って風俗街の入り口近くに店を構えたのだそう。普通は女性客が通ることがなさそうな所に敢えて店を構え、そこが「ちょこっと屋のある通り」として知られるようになってほしい。そんな彼の思いは、04年6月の開店以来、着実に現実のものになっていて、お店を訪れるのは大半が女性客とか。お店はすべて手作りで、いろんなところに人の息遣いや遊び心がちりばめられています。でも、お酒の扱いは一流で燗は温かいまま冷ますことなく、冷は冷たいままいただけるよう細心の注意が払われているのです。店内のBGMは80年代の歌謡曲というのも渋い。夫に話したところ、取材後まもなく早速出かけてました。

というわけで、今号の「がんぼ」ぜひ、ご覧くださいね。感想も待ってます!