初版が2001年。決して新しい本ではありませんが、読んでよかったと思えた一冊を紹介します。佐野眞一「私の体験的ノンフィクション術」。



随分前に購入していた本ですが、今回、京都からの帰りの車中でやっと読み終えました。
この本は家や事務所ではなく、どこかへ遠くへ行く時に読みたいな~と思っていて、それが果たせたというわけです



ノンフィクションライターを目指しているわけではありませんが、取材や文章を書くうえで心したいことが多く書かれているとともに、佐野眞一作品をひも解く道しるべにもなる内容です。



元来、ミーハーな私は、佐野眞一という人見たさに2年ほど前、山口県の周防大島の講演会へ行ったことがあります。
目立とうと思って、きものを着て行き、ギリギリに会場入りする前、建物の外で一服していた佐野さんを発見しながら、やっぱり恥ずかしくて声が掛けられず素通りしてしまったという、トホホな過去があります。



でも、本書を読んで、近くて遠い人と思っていた佐野さんが、遠いけど実は近い人のように思えました。なぜなら、彼の「書く」手法がごくシンプルで、地道なものだからです。



「あるく」「みる」「きく」は、取材記事を書くときにも基本であり、ここを手抜きをせず、きちっと固め、あとはどれだけ持続して粘れるか、対象を追えるかという勝負なんだと。
印象的だったのが
 「長編を書く場合に一番大なことは、生活のリズムを絶対に崩さないこと」
徹夜などもってのほかとあり、
 「『夜を味方』につけなければ書けないような人間の文章は、所詮、ちょっとさわれば崩れる砂糖菓子のような文章でしかない」
と続いていて、深く納得。そして反省。



佐野さんのような骨太な書き手を目指し、精進だけはしようと心に刻んだ一冊です





私の体験的ノンフィクション術 (集英社新書) 私の体験的ノンフィクション術 (集英社新書)
価格:¥ 714(税込)
発売日:2001-11


何度も繰り返し読みたい一冊。新書なのに文字ぎっしりなのもうれしい!



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