随分と乱暴。
 でも、フレッシュな本だなぁ~と思いました・・・

 今日ご紹介するのは
 「5年後、メディアは稼げるか」

 著者の佐々木紀彦さんは
 東洋経済新報社へ入社後
 一時休職して米国スタンフォード大学院で修士号取得。

 その後、復職し
 「週刊東洋経済」編集部へ。
 数々の特集を担当してヒットを飛ばし
 単著も出版(しかも、その本が5万部も売れた)。

 昨年、そのキャリアを買われて
 「東洋経済オンライン」編集長に迎えられ
 リニューアルから4カ月で同サイトをビジネス誌系サイトの
 ナンバーワンに導いた気鋭の34歳。

 見事なまでのハイスペックな肩書き!
 いわゆる「イケてるギョーカイ人」と言っていいでしょう。

 そのせいか
 「カリスマ編集長は(日本の)雑誌界にはほとんどいません

 「高齢者には失礼だとは重々承知していますが、
  世の中を変える主体ではない高齢者に向けて、
  情報を発信することに私は興味がわきません


 とまあ、反感を買うようなことを
 ハッキリばっさり言ってのけていらっしゃる。

 ただそれは、彼が結果を出して自信満々の
 はなもちならないギョーカイ人だからではなく

 次世代ジャーナリストの条件の一つとして
 「孤独に耐える力」を挙げ

 「日本のジャーナリストは、上司や読者や取材対象者からの反応を
  気にしすぎているように感じます。
  炎上してもどうってことはありません。
  自分の信じる意見であれば、どんどん打ち出していけばいいのです。
  反発をおそれていては、存在感に乏しい『のっぺらぼうジャーナリスト』
  になってしまいます


 と述懐していることからも分かる通り

 誰にもおもねらず、覚悟を決めて
 「喧嘩上等」精神で世に挑んでいる
 なかなか噛みごたえのある人物だからと
 お見受けしました。

 無難より、非難を買って出る
 若さと勢いが心地いいのです。

 彼が現地で実際に見聞したであろう
 米国製メディアの分析、考察に対し
 日本メディア(主に新聞、雑誌、ウェブ)のそれは
 まだ浅い気はしましたが

 それでも、第3章の
 「ウェブメディアでどう稼ぐか?」は
 とても刺激的で、線引きまくりでした。

 最終章「5年後に食えるメディア人、食えないメディア人」で
 世代別のキャリア設計が述べらているのですが
 「40代はなんとも中途半端
 とばっさり。

 「メディア新世界を一刻も早く実現するには、
  40代を飛び越して30代へと一気にパワーシフトしたほうがいい


 「40代中盤以上の人たちはバブルを経験しており、
  昭和モデルの中で生きてきたため、ブランド主義というか、
  いろんな意味で古いヒエラルキーを意識している人が多い
  ように感じます


 と、これまた手厳しい。

 読みながら「悪うござんしたねぇ、昭和モデルの中で生きてきて!」と
 思わずつっこみを入れずにいられませんでしたが、
 痛いところを突いているのも事実。

 むかつく箇所はほかにも散見しますが
 それ以上に、今後のメディア界でどう生き延びていくかのヒントが得られ
 うなることが多かったです。

 最後に、本書でとても印象に残った一節を引用しましょう。

 「ウェブメディアにおいてもっとも大事なのは、
  文章力よりも、経験や知見の面白さです。
(中略)
 
 私を含む9割以上のジャーナリストの文章力は、
 努力をすれば誰でも身につけられるレベルにすぎません。
(中略)

 事実、ユニークな経験や知見さえあれば、たとえ文章が苦手でも
 良質なコンテンツはつくれます


 これだけ「発信するツール」があふれている時代、
 プロの書き手でなくても
 「経験や知見の面白さ」を武器に
 打って出ることができる、ということです。

 プロの書き手にとっては脅威となる存在が
 アマチュアの世界からどんどん出てくるということ。

 だからこそ、これからのメディアって面白くなるとも
 思っています。
 プロの端くれである以上、そうやすやすと
 席を譲りたくもありませんからね。

 というわけで、
 一冊でムカついたり、勇気をもらえる
 刺激的な本。

 楽しめたし、学ぶところも多くありました。




 メディア関係以外の業界のかたにも
 非常に面白く読める一冊だと思います。

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