「ヤキがまわったなぁ」

 山田詠美のエッセイ
 「4 Unique Girls 人生の主役になるための63のルール」
 を読んで、そう思いました。

 20代、わたしの人生の教科書だった
 山田詠美の作品たち。

 40歳ごろまでは
 新刊が出るたび読んでいたのですが
 最近はすっかりご無沙汰。

 彼女の長編作品に
 付いていけなくなっている
 へたれなわたしがいます。

 しかし、詠美愛は変わらずあり
 何かないかとAmazonを物色していて見つけたのが
 女性誌「GINGER」の連載をまとめた
 このエッセイでした。

 読後、感じたのは
 「変わってないなぁ」。

 往年の詠美フリークとしては
 知ってる話、なじんだ言い回しも多々あり
 正直、新鮮味は感じられませんでした。

 でも、ふと思いました。

 ヤキがまわったのは
 書き手の詠美ではなく
 読み手のわたしなんだ、と。

 山田詠美の作品世界に憧れ
 影響を受けながら
 「いい女とは」
 を自問し、追求してきましたが

 50を前にして
 自分なりの答えが見えてきた今
 (見えただけで、なっているかは別!)

 エッセイとはいえ
 彼女の作品を読んでみて
 昔、必死で勉強し、赤線を引きまくった
 教科書を読み返しているような気分になりました。

 若い頃
 解けなかった問題が
 今なら解けるし、解決できる。

 古い教科書は
 もう、いらないんだ
 という感じ。

 その代り
 うちの女子高生たちが
 即座に反応してきます。

 「あ、山田詠美! 読んでええ?」
 と。

 これから
 恋も仕事も人生も
 経験していく彼女たちには
 格好の教科書になるはず。

 母親として娘たちに
 たいしたことはできませんでしたが
 自分の愛読書を強引に押し付けてきたせいで

 時代を越えて
 わたしが好きだった作家や作品を
 娘たちが同じように
 好きで読んでくれているのは
 とてもうれしいです。

 多分、このエッセイも
 今どきのJKには
 新鮮かつ刺激になることでしょう。


 わたしといえば……
 彗星のごとく現れた
 ジェーン・スーのような
 新しいタイプの書き手を知ってしまうと

 詠美のエッセイに
 懐かしさは感じても
 若いときほど反応できません。

 これが歳をとる
 ってことなんでしょうね。

 残念!



 でも、自宅の居間に娘たちが本棚から取り出した
 山田作品が転がっている風景はとても好きです。