ある食事会のゲストは
 島でパン屋を営む男性。

 過疎が進む島で
 パン屋を開いて5年目だとか。

 島で唯一のパン店として
 地元の人にも島外からやって来た観光客にも人気で
 繁盛しています。

 パン屋の店主になるまでは
 対岸の町に生まれ育ち、地元の会社員だったという
 その男性。

 起業の動機は
 島の人が困っていたから。

 いくら過疎の町とはいえ
 パン屋が島内に1軒もないのは困るし、寂しい
 という声を放っておけなかった、と言います。

 島内で大量に出る
 廃材を燃料に使い何かできないか
 というところからスタートし

 行きついたのが
 石窯で焼くパン屋
 だったとのこと。

 それまでパンを作ったことのなかった男性は
 島でパン屋を開くことが決まってから
 修行をし、開店。

 パン屋を営む傍ら
 地域の消防団に参加し
 地域の役を幾つも引き受け
 地元の人たちと積極的に関わっていくうち

 廃材だけでなく
 「これ、使いんさい」
 と何やかや島内の人が持ち寄ってくれたり、
 人の縁から仕入れ先や販売先のルートが新たにできたり……

 「好きなことを仕事にする」のも一つのやり方ですが
 この島のパン屋さんのように
 困っている人のために仕事を作る、というのも一つ。

 そんなふうに起業した人は
 自分のことだけでなく
 地域に目が向いているから
 自ずと協力者や応援する人が現れ
 成功しているように感じます。

 何度も訪れ、よく知っているつもりの店でしたが
 今回、開業のきっかけを改めて知り
 はっとしました。

 利他の心ってこういうことなんでしょうね。