ライター・カミガキ 臨機応変日記

好きな言葉は「臨機応変」。 変幻自在、しなやかに強く、信じるままにわが道を行くライター・カミガキの日々の奮闘・思い・気づきを綴ります。

2005年06月

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最終ポイントから折り返し、再びランチポイントのダニエル・ティーボレストランへ。

Keokea Beach Parkを次々と出発するメンバーを見送り、再び最後列に付く私。私の前を行く金沢ロードスタークラブの中谷内氏、北海道ROCK'Sの山本氏はしきりとビデオカメラを回し、前の車や後ろの私たちを写してくれている。

この頃になるとすっかりくつろぎモードで走行。いたずらに汗もかかなくなっていた。陽もかげりはじめてきてはいるが、ロードスターのボディは相変わらず緑に映える。行きと違って今度は下っていく感じ。眼下に広がる高原を走り抜けていくのが実に気持ちいい。

ダニエル・ティーボレストランで休憩。お茶とスイーツが用意されていた。間もなくホテルへ。ホッとするも、やはり、まだまだ走り続けていたい感じ。試乗が終わってしまうのがもったいない。

ホテル内ではすでに開発メンバーを迎えてのQ&Aセッションが始まっていた。冷たい飲み物を選んで会場内へ。各国のファンクラブ代表面メンバーからの質問に貴島主査ほか開発メンバーが回答。すべてマツダ社スタッフによる同時通訳付き。日本のメンバーからは、タイヤの大きさについての質問があった。ランチの席だったか、彼らにとってタイヤは消耗品であることを知り、改めてクルマ乗りは違うな~と感心。何度も取り替えるため、タイヤの大きさは見逃せない問題のようだ。

途中から入室したせいか、あっという間にQ&Aセッションも終わり、夕方から始まるパーティーに備え、部屋へ戻った。慌しく準備を整え、ロビーへ。

18時30分からホテル外のSullivan Estate という会場でディナーパーティー。開発メンバーなども加わり、今回のハワイ滞在のメインとなるパーティーだ。


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最終ポイントのKeokea Beach Parkへ無事、到着。

岩場が多く、荒い波が打ち上げる海岸だ。濃い茶色の地面に色とりどりのロードスターが並ぶ光景は壮観! ハワイのまぶしすぎる太陽と鮮やかな空の下では、TrueRedのボディカラーがひと際鮮やかに映える。ファンクラブメンバーの話では、風土が変わるとボディカラーの色も違って見えるらしく、日本ではこうはいかないだろうね、という話。真紅のボディはハワイの海の青、空の青に絶妙にマッチして美しい。

Keokea Beach Parkでは休憩を兼ねながら、参加三組へのインタビューが行われた。一番目がなぜか私で、岸壁の方向へクルマを止め、太陽に向かってインタビューに答える。映りの関係上、キャップを取ってくださいとのこと。汗だくで化粧もはげかけた顔で応答。運転の爽快感が残っていて、素の状態で心地良い走りの感想を述べた。

新型ロードスターのコンセプト「人馬一体」を体感したと言うのは、脚色でも誇張でもなく、素直な感想だ。ハワイ島の道を思う存分駆け抜けたあとの、なんともいえない手ごたえが体に残っている感じ。オープンであれだけ走っても、風の抵抗で疲れるということもない(出発前にレンタカーのロードスターをオープンにして走った時は、明らかに疲れたので、その違いは驚くばかりだった)。

ファンクラブメンバーの男性陣もみんないい顔をしている。やっぱり、それが新型ロードスターの乗り心地、走りをすべて物語っているような気がした。

三組のインタビューも終わり、今度はランチポイントへ向けて折り返し。

それにしてもハワイ島の高原は、鮮やかな海と空に比べまるで別世界のように荒涼としている。走りながらその様相を目の当たりにし、神妙な気持ちになった。期待とか興奮という言葉より絶望という言葉のほうがしっくり来るくらい、圧倒的に寂しい。最初にこの地に着き、この荒涼とした草原を目にした人はどんな気持ちだっただろう。



ここでのインタビューの様子は、ロードスターサイトのこちらで動画として見れるようになっている。

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午後からのコースは、R250を一気に北へ。

先導車がつくのは最初のわずかな間だけ。あとは出発順に、思い思いに走行を楽しむという展開。しかしながら、ひやひやしながら最前列を走るより、最後尾を追いかけるようについていくほうが気分的にはずっと楽。

道自体も午前のコースとは打ってかわって、カーブや坂道、アップダウンが豊富で、非常に乗り応え、走り応えがあった。グイングイン飛ばす前の車に付いていくわけだが、結構なスピードを出していても無理した感じがないのがさすがにスポーツカーだと思う。とっても走りが自然なのだ。

比較するのもはばかれるが、私が普段乗っている軽四のワンボックスは、そりゃあもう加速するごとクルマが「ちょっと待ってくださいよ」と言ってるようなしんどさが伝わる走り。その点、ロードスターは走れば走るほど、クルマとの一体感をぴたっと肌で感じることができるのだ。シートへの余計な負荷がない。不快感がない。

ぐ~っとアクセルを踏み込んでも全然こわくない。踏み込むほどに快感。カーブが実に気持ちいい。アップダウンがとても楽しい。

この頃になると、周りの景色に目をやる余裕もできてきた。島とは思えない広大な高原を縫うように走ったり、木々の緑の中を駆け抜けていく爽快感は堪えられない。まさにZOOM-ZOOMな瞬間だ。

途中、二股に道が分かれる標識のあるポイントで迷い、路肩に止まっていたら、スタッフのクルマと思しき後続のクルマが突っ切って行った。三さ路の右折ポイントで前の車が止まっていたので私も一時停止。走っている時はノリノリでオッケーオーライなのだけど、ひとたび停止となると、またぞろ緊張。

多少の緊張を覚えつつ、なんとか岸壁のある最終地点へとたどり着いたのだった。


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ホテルからランチポイントのダニエル・ティーボレストランへ到着。

やたら、左折ばかりしていたような気がする。あとで後ろの車両の人にもいわれたが、ウインカーも左右逆に出していたらしい。本人自覚なし…。ランチポイントに近づくにつれ、ワイパーとウインカーを間違う回数も減っていた(ような気がする)。

クルマから降りたら、背中とももの裏が汗でしっとり。無我夢中の試乗午前の部であった。

ランチの席では金沢ロードスタークラブの中谷内氏、北海道ROCK'Sの山本氏と同席。

彼らとは同じ丙生まれ世代。話をする中で「ロードスター、乗りたいけど、子供の保育園の送迎にはちょっとね…」と言うと彼らは「いや、子供は覚えてるもんだよ。母親が毎日スポーツカーで送り迎えしてくれたってこと」と言われ、確かにな~と思った。家族がいると、つい実用性をクルマに求めてしまうけれど、そうではない乗り方もある。親が好きなものって自然と子供にも伝わっていくような気がする。

ランチを終え、席を立とうとしたとき、お隣のテーブルにいらした貴島主査とちゃっかり2ショットで写真を撮ってもらった。ラッキー!

新しい水のボトルを配給してもらい、午後からのコースへ。

250号線を最終ポイントまで走行するというもの。最初だけ先導車がつき、そのあとは各自、最終ポイントまで自由に走れる。もちろん、今度こそ私は最後列。とりあえず、おいてけぼりをくわないように、他のメンバーのあとをついていくことにしおた。

ちなみに、今回持参したお気に入りCDは…
・BRENDA RUSSEL「SOUL TALKIN'」
・山下達郎「FOR YOU」
・ANITA BAKER「RAPTURE」
・「love actually」サウンドトラック
・CHERYL LYNN「THE BEST OF CHERYL LYNN」

結局、前半3曲しか聴かなかったのだが、ドライブには音楽。好きな曲を聴くだけで随分とリラックスできた。しかも、オープンにして走っていても、まったく違和感なく耳に音が入ってくるのには感動。

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プレゼン会場からホテル玄関前へ。10時30分から、いよいよ新型ロードスターの試乗がスタート。

ホテル前には、色とりどりのロードスターがズラリ。ハワイの陽を浴びて輝いている。

午前は、ホテルからランチポイントとなるダニエル・ティーボレストランまでの道のりを約1時間の走行。先頭に誘導車、そのあとにキャラバン形式で連なっての試乗ということだった。早くもメンバーの中からは「なんで、キャラバン形式なの!?」という声も。みんな自由にかっ飛ばしたくてうずうずしている様子。

私は…。もう、クルマに乗る前から緊張状態。案の定、右側通行の左ハンドル。国際免許証は申請してきたものの、海外で運転するのはこれが初めて! ビビリまくりである。

参加メンバーの乗車する車の一覧が配られていて、エントリー順で言えば私は27番、クルマは10番のマーブル・ホワイトの車両。これがまた素敵な白で、オフホワイトっぽい、まさに大理石のようなソフトな乳白色。シートは茶色のレザー、ソフトトップも同系の茶の上品な色の組み合わせ。オーディオにはBOSEが入っていて、かなりごきげん。マツダ社側でもCDを用意してくれていたが、すかさず持参のCDホルダーを持ち込んだ。

エンジンかけるのもドキドキ。「ひ~っ」と心の中で叫びつつ、何度かふかしてみる。もう、後には戻れない悲壮感漂う私。

超ど級の素人ドライバーの私を察してか、「俺らの間に入って走ればいいから」とファンクラブメンバーの人たちが言ってくれていたらしい(いとこ談)。私もエントリーの順番どおり、順番にお行儀よく走るつもりでいた。が、しかし…

エンジンかけた時点でテンパってしまっていた私は、隣のクルマが出たのでそのままそれについて走り出していた。うしろなど見る余裕はこの時点ではまったくない。

走り始める前のクルマ。車間を保ちつつ、必死でついていく私。6速でギアチェンジひとつ一つも緊張する。ホテルからR190までの小道を走る時点で心臓バクバク。R190へ左折する時、見事にウインカーとワイパーを間違う。

左手に海、右手に山という広大なハワイ島の風景の中、走り始めているものの、気持ちよさより、悲鳴をあげたくなるような緊張状態とハイテンションが続く。しばらく走りながら、ふと、助手席のいとこに尋ねた。「ねえ、なんで私の前に1台しかおらんの?」。いとこ曰く「だって、あれ、先導車」。ひえ~~~っ、何を勘違いしたのか、名だたるファンクラブメンバーをさしおいて、いきなり先頭を走っていた私、オ~マイガ~ッ!!! と頭を抱えそうになるが、ハンドルを握り締めながら背中には冷や汗あぶら汗。私がファンクラブの人だと思っていた隣のクルマは、思いっきり先導車だったのだ。

ふとサイドミラーを見ると、確かにうしろに何台も連なっている。「うそじゃろ~」と、泣きそうになりながら、とにかくランチポイントまでの道をひた走るしかない。この時点では、風景どころではなかったのだ。

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プレゼンで印象的だった4人のヒーロー達の言葉。

▼主査 貴島孝雄氏
「KANSEI エンジニアリング。感性に訴えるクルマ、それがMX-5(=ロードスター)」
「(人馬一体というコンセプトどおり)馬、あるいはペットのようにあたたかくエモーショナルなイメージを体現」

感性に訴えるクルマだからこそ、「いかに美しく楽しいか」がテーマであり、人馬一体のごとくドライバーとクルマが共鳴する一体感は「乗って初めて分かる」とも。試乗後、実際にそのとおりだったことを体感。


▼副主査 藤冨哲男氏
「一般の道を普通に走る楽しみが得られるクルマ」

それゆえ、新型MX-5は「さわる」「曲がる」「走る」「視る」「聴く」「止まる」という6つのシーンにおいて体感するさまざまなフィーリングにフィットするクルマとして開発されている。たとえば、エンジン音。「スポーツカーらしい低周波音」にも配慮され、クルマの鼓動を体で感じることができるのだ。まったくのスポーツカービギナーの私は、エンジン音にまでこだわりがあることを知り、改めて感動。


▼副主査 山本修弘氏
「Lots of Fun. 語り合う楽しみのあるクルマがMX-5。私たちの馬をハワイの馬場を使って存分に楽しんでください」

このひとことにもしびれた。感性に訴えるクルマだからこそ、乗って感じ、乗ったあとも仲間と語り、共感し合えるクルマということだろう。世界にファンクラブがあることからも、それはうかがえる。
人馬一体の体現のため、車両開発においては重量軽減が最大の課題。試作工場の畳の部屋で精神を集中して知恵を絞り、とった策がグラム作戦。


▼チーフデザイナー 中牟田泰氏
「乗って楽しいクルマ」

視覚的にも、乗り心地からもそれを感じることができるように計算され尽くしたデザイン。米・独・日のデザインスタジオで作成されたコンセプトスケッチをさらに検証し、最終的にクリーンでコンパクトな広島案が採用されたという。
これはもう、乗ってみるのが一番分かりやすい。


4者に共通して感じたのは、とてもいい顔でプレゼンされていたこと。その表情に、新型MX-5に対する強い思い入れの深さと自信がうかがえた。主査の貴島氏曰く「私のどこを切ってもロードスターです」。そこまで言える仕事を私もしてみたい、と強く思った。

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6月25日土曜。相変わらず良い天気。今日はいよいよ新型ロードスターの試乗である。

その前に。午前9時からホテル内のHualalaiBallroomにて、新型ロードスター開発メンバーによるプレゼンテーションがあった。会場内は現物の新型ロードスターほか、ピカピカのエンジン、ボディやボディカラーの見本などがずらりと展示されていて、まばゆいばかり。

プレゼン開始まで会場内でぶらぶらしていたら、マツダ社のスタッフと思しき男性が声をかけてくださった。「広島から来ました」と言うと、「それはラッキーですね」と驚かれていた。

「ロードスターは自分のものにしたときから“マイ・ロードスター”なんです。自分仕様に乗って、世界で一台のロードスターにしてください」という彼の言葉がとても新鮮で印象的だった。

乗った時からマイ・ロードスター。自分流に乗って楽しめるクルマ。改造して楽しむということも含まれるのだろうが、世界中にロードスターのファンがいるように、老若男女、その国、その土地、その人のライフスタイルに合わせて乗れるしなやかさをもったクルマだということではないだろうか。

やがて、プレゼンがスタート。新型ロードスターの開発メンバーの代表4名の男性が順番にプレゼンテーションを行う。各テーブルには同時通訳用のイヤホン。なんだか国際会議場にいる気分。

新型MX-5(=ロードスター)開発主査の貴島孝雄氏を筆頭に、スクリーンにポイントとなる数字を挙げての説明が始まる。副主査の藤冨哲男氏(パワートレイン開発推進部 プログラム開発推進グループ)に続き、登場したのが同じく副主査の山本修弘氏(車両設計推進部)。先ほど雑談したばかりの男性スタッフは彼だった。思わず「ひえ~っ」と心の中で叫ぶ私。そして、4人目に登場したのはデザイン戦略スタジオチーフデザイナーの中牟田泰氏だった。

はっきり言って、この四人の男性達、一見、普通のおじさんなのだ。しかしながら、ロードスターファンにとっては羨望と尊敬の対象。まさに、ロードスターの生みの親、ヒーロー的存在なのだ。このプレゼンの後も何度かお目にかかる機会があったが、始終サイン攻め、写真攻めだった。

そのヒーローの一人、山本氏と直接お話させていただき、本当に感激ひとしおだった。

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